医師の資格について
医師は人々の病気やケガを治し、命を救うという使命を持った職業です。
医師とは、医師免許を持っている人のことを言い、医師免許がある人は、病気がケガを治すための医療行為を行うことができます。
医師免許が無い人が医療行為を行うことは法律で禁止されています。
また、死体検案書の作成も医師にしか行えない独占業務です。
医師免許を取得すると、2年間の臨床研修を経て、ほとんどの人は様々な病院に医師として勤務しますが、自分でクリニックを開業することも可能で、たった1人でも医療法人を設立することもできます。
どの診療科を専門にするかは、法律では医師免許がある人はどの診療科でも医療行為を行っても良いことになっていますので、自由に選ぶことができますが、人気の診療科に医師が集中し、小児科や産婦人科の医師が不足するなどの問題が生じています。
また、近年では、更なる医療技術の進歩を狙って、診療の専門化や細分化が進められていて、各診療学会において認定医制度が採用されるようになってきていますので、各診療学会に登録が必要な場合もあります。
一方、医師免許を持っていても、保健所の医師や産業医、法医学者といった医療行為を行わない職業に就く人もおり、このような医療行為を行わない医師は、2年間の臨床研修を行わなくても良いことになっています。
しかし、近年では臨床研修を修了していることが求人条件になっていることが多いので、このような職業を希望している人も、とりあえず臨床研修を行うのが一般的です。
医師の資格を取得するには
医師の資格を取得するには、まず医師国家試験に合格しなければなりません。
医師国家試験の受験には条件があり、医学部のある大学で6年間学び、定められている課程を修了し卒業した人、または卒業見込みの人のみが試験を受けることができます。
したがって、医師免許を取得するには必ず医学部のある大学に進学しなければならないということになります。
医師国家試験は1年に一度だけ行われ、毎年3月に3日間の日程で実施されることになっています。
試験には、基礎医学や臨床医学など、大学で学んだ全ての科目が出題されることになっていますが、医師国家試験委員会によって4年ごとに国家試験出題基準が発表され、基本的にその中から出題されます。
医師国家試験の難易度は相当な高さですが、合格率は90%以上と高く、ほとんどの人が合格します。
それは、大学で国家試験に特化した授業を行うからです。
ですから、卒業試験に合格した人は、高い確率で国家試験にも合格できるようです。
しかし、大学に入学してからの6年間は、一般的な大学生に比べて相当な勉強量を強いられますので、覚悟しておいた方が良いでしょう。